さて今日は前回の記事でちょっとだけお話ししたハイブリッドインバーターの話になります。
今現在、我が家は割安の深夜電力と少しの太陽光発電だけで電気を賄ってます。
それを可能にするのがハイブリッドインバーターになります。
まだ実験運用中ですが、運用を始めてから2週間が経ち色々分かってきたのでブログを書いてみようと思います。
昨今の電気代が高すぎる!と感じている方はかなり興味深い内容だと思いますので興味がある方はぜひ最後までお付き合い頂けると幸いです。
先日ハイブリッドインバーターのテスト中だとお話ししましたが、そもそもハイブリッドインバーターとはなんぞや?
っていう方がほとんどだと思うので、簡単に説明させて頂きます。
下画像はハイブリッドインバーターを開封した時の写真です。
重量は約20kg。
サイズは620mm×435mm×130mm
中国製です。
ざっくり機能を説明すると、
・ソーラーで発電した電気を家庭用の交流の電気に変換しAC100VとAC200Vを出力
(単相3線式なので単相200Vの電気機器も使用可能)
・ソーラーで発電した電気を蓄電池に充電
(充電効率の良いMPPT方式でパネルの入力電力11,000Wまで可能)
・電力会社からの電力で蓄電池に充電
(任意の時間を指定しての充電や放電が可能)
・蓄電池に蓄電した直流の電気を交流に変換しAC100VとAC200Vを出力出来るのでオール電化住宅でも全負荷運用が可能
(蓄電池の容量が無くなれば電力会社の電気にシームレスに自動で切替)
これらの機能を全て自動でやってくれます。
自動でやってくれると言うより細かく任意設定が可能なので使用する側の思いのまま制御出来ると言った方が正しいかもしれません。
そしてなによりのメリットは、超〜格安で構築出来るという事です。
なんで格安で出来るのかと言うと自作で構築する事が可能だからです。
例えると様々な部品を組み合わせて作る自作PCの様な感じです。
・既製品のPCより安く構築出来て、ある程度自由にカスタム可能
・故障した場合は自分での修理も可能
・多少の専門知識が必要
・設定が少しややこしい
・やる気が必要(笑)
ホント共通してる部分が多々ありますね。
ただ、少し違うのはこの蓄電システムを構築する場合は電気工事士の資格が必要です。
ちなみにハイブリッドインバーターのみでの売電はできません。
完全自家消費型になります。
卒FIT(固定価格買取制度の終了)を迎え、蓄電池設備が無いお宅の場合、昼のソーラーで発電した電気はリアルタイムで消費出来ない部分(余剰電力)は売電するしかありません。
FITが終了してるので、買う電気よりも安い単価で売電する事になります。
そうなれば自分で発電した電気は自分で消費した方が絶対に得という事になります。
そうするには蓄電池とその蓄電池に貯めたエネルギーを家庭で使えるようにする装置が必須になります。
その装置の一つがハイブリッドインバーターです。
また、現在オール電化で、蓄電池もソーラー設備も無いお宅に関しては、消費する電気は全て電力会社から高い電気を購入するという選択肢しかありません。
そういうお宅もこのハイブリッドインバーターと蓄電池さえあれば深夜電力の割安の電気を蓄電池に貯めて深夜電力以外の時間帯に蓄電池から消費するようにすれば
”購入する電気は深夜電力だけ”
という事も可能になります。
まさに我が家もオール電化で蓄電池もソーラー設備もありませんでした。
ただ、我が家の場合はオール電化+薪ストーブ(全館暖房)なので暖房は全て薪ストーブで賄っています。
薪を調達する手間はかなりかかりますが、暖房費はゼロ円ですし、家の中はTシャツで過ごせるぐらいポカポカです。
それでも、冬の電気代は一番高くなります。
その原因のほとんどがおそらくエコキュートです。
私が住んでいるのは山形県なので冬の寒さはかなり厳しいです。
下画像はこの記事を書いている(2023年1月)直近のウェザーニュースの天気予報です↓
外気がマイナス気温の環境で460リットル程の水を電気の力だけでお湯にする訳ですから、かなりの電力を消費します。
もちろん深夜電力で沸き上げをする設定にしているのですが、うちは5人家族で3人目がお風呂に入る頃にはエコキュートのタンクのお湯が無くなりそうになるので深夜電力の前に自動で沸き上げが開始してしまいます。
そういう時は電気代を節約するために60分程しか沸き上げないようですが、通常の電気料金の時間帯ですので電気代がかさばります。
そういう事もあり特に冬は電気代が高くなってるんだと思います。
2022年12月使用分の請求は17,629円でした。
その前年の12月使用分は11,674円。
消費電力量はほとんど同じ。
2023年1月から9ヶ月間(2月から数ヶ月間)は1kwhあたり7円の国の支援もある様なので、少しは差し引かれると思いますが、上がった分全てを支援してくれる訳ではありませんし、支援してくれるのは限られた期間だけで、この先ずっとではありません。
やはり何か対策を出来ることならした方がいいと私は思う訳です。
その一つとして蓄電システムの導入です。
ただ市販の大手で出している様な蓄電システムはかなり高額ですよね?
となると自作で蓄電システムを構築するしかありません。
幸い私はキャンピングカーなどのサブバッテリーシステムの構築やポータブルサブバッテリーシステムの制作販売を業として行っているので、この分野に関しては多少知識があります。
以前から電気の自給自足の計画は立ててはいたのですが、自分の事となると後回しになってしまっていました。
そんな中、去年の10月中国のセラーにハイブリッドインバーターを発注していました。
しかし、コロナなどの影響で遅れ遅れになり、やっと去年の年末に到着。
現在テスト中という訳です。
今現在のシステムのおおまかな概要ですが、
ソーラパネル
→ 1kw
(ゆくゆくは4kwぐらいまで増設予定)
蓄電池
→ リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 生セル 10.2kwh
ハイブリッドインバーター
→ AC出力8kw 単相3線式
こんな感じです。
下の画像は実際の実験中の様子です。
奥に見える青い物体がリン酸鉄リチウムイオンバッテリーです。
そして手前の白い箱がハイブリッドインバーターです。
そしてこちらがソーラーパネル1kwです。↓
ちなみに我が家は暖房以外オール電化です。
200V機器は下記の3種類になります。
・エコキュート(パナソニック製、寒冷地向け 460リットル)
・IHクッキングヒーター(パナソニック製)
・リビング用エアコン(富士通製、冷房能力7.1kw)※冷房のみ使用
上記以外はAC100Vになります。
下記画像はある日の夕飯の支度中の写真です。
IHクッキングヒーターや電子レンジなどを使用し、消費電力が4000Wを超えていますが、インバーターはまだまだ余裕です。
ソーラーパネルは1kwだけですし、冬なのであまり発電は期待出来ません。
なので、ハイブリッドインバーターの設定で深夜電力の23時00分〜7時までの間で蓄電池に充電する設定にしています。
下画像は1月19日(金)のハイブリッドインバーターのアプリ画面です↓
その日の蓄電池の状況にもよりますが、実際には23時30分から充電を開始して2時30分ぐらいには充電完了しています。
同時にエコキュートの方も深夜電力23時30分〜3時ぐらいで沸き上げをしています。
黄色はソーラー発電のグラフです。
グレーの部分が被っていない緑の部分(6時〜23時)は蓄電池から供給。
そしてまた夜23時30分から充電の繰り返しとなり、約17時間ぐらいは蓄電池と少しのソーラー発電で電気を賄っている事になります。
ただ、平日は昼の電気を買わずにいける時もありますが、土日は家族が家にいる時間が長くなるので、その分電力も消費し、21時ぐらいにはバッテリー切れで商用電源(東北電力)に切り替わります。
うちの場合は薪ストーブで暖房しているのでその分電力を消費しません。
完全なオール電化の場合は暖房でも電力を消費すると思うので稼働時間はもっと短くなると思われます。
これはソーラー発電はほとんど加味していないので3〜4kw以上のパネルで、なおかつ、もっと発電が期待できる季節であればこの限りではないと思います。
例えば、日中、十分に発電し、夕方の時点で蓄電池が満充電近くになっていれば深夜電力も使わずにソーラー発電だけで電力を賄う事も可能です。まさに電気の自給自足。オフグリッドです。
実験はまだ始まったばかりですし、ソーラーも1kwしか接続していません。
もう少し寒さが和らいだらソーラーパネルの増築やベストな設定などを探っていきたいと思います。
随時報告していきますので楽しみにして頂ければ嬉しく思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
それではまた!
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