5極リレーについて


5極リレーについて

経緯

まずは、今回の記事を書くに至った経緯をお話しします。
先日YouTubeに投稿した動画にこのようなコメントを頂きました。

5極リレーの配線方法がいまいちよくわかりません。自動切替の所がよく理解できないのですが配線の動画をアップできないでしょうか?

コメント欄から抜粋

※リレーの事は理解してるから配線の所だけ知りたいと言う方は目次の【5極リレーの配線】から飛ばして読んで下さい。

というわけで、”5極リレー“について深掘りしていきたいと思います。

コメントを頂いた動画はこちら↓

サブバッテリー2号機改良しました【自動切替式】

5極リレーとは?

5極リレーって何?そもそもリレーって??という方も結構いるのではないでしょうか?リレーにも種類があり、ここでは4極リレーと5極リレーの解説をしたいと思います。

そもそもリレーというのは電磁コイルを利用してオンオフしたり、接点を切り替えたりする部品になります。

何のこっちゃ…?という方のために、私なんかが解説するよりも非常に解りやすく解説している記事があったのでそちらを参考にしてみてください。↓

リレーの使い方入門 / 回路のしくみ
リレーは難しくて苦手!……とネガティブイメージを抱きがちな初心者向き。リレーとは、簡単にいうとスイッチ。一体どこが「スイッチ」なのか、イラストでわかりやすく解説する。まずは車の電装カスタムでよく出てくる4極リレーを攻略しよう!

5極リレー。何かをきっかけにして接点を切り替える事が出来るという事ですね!
なんとなく理解出来たら次に参りましょう!

5極リレーを使用した理由

サブバッテリシステム2号機

今回の動画は自作のサブバッテリーシステムを改良するといった内容の動画なのですが何を改良したのかというところをおさらいしてみます。

  1. シガーソケット差込口の追加
  2. USB端子の差込口の追加
  3. 適性かつ安全なソーラー充電を可能にする為の処置

以上の3点になります。

今回の議題である5極リレーはどこに使ったのかというと、3番目のソーラー充電の部分になります。

では何故5極リレーを使用したのかというと”適正かつ安全”というキーワードがミソになってきます。

今回の自作サブバッテリーシステム は走行充電システムも兼ね備えており、ニューエラーのSBC-001Bを使用し、車輌側からの余剰電力がサブバッテリーに充電される仕組みになっております。

そこに今回のソーラーチャージャーを取り付け、ソーラーパネルからの充電を行うわけです。

例えばリレーを使用しないでソーラー充電器をサブバッテリーに接続した場合を想像して下さい。

雲一つない快晴の日中。日光が燦々と注いでおります。
そこにソーラー充電システムを搭載したサブバッテリーシステム
仮に200Wのパネルを接続していたとすると、おそらく120W程の発電量になると予想します。

電流の方は約10Aサブバッテリーに流れているとします。
サブバッテリーの電圧計は13.8Vあたりを表示しています。

ここで車輌のエンジンをかけるとどういう現象が起きるか?

走行充電器のSBC-001Bはサブバッテリーの電圧が高いので満充電になっていると勘違いをします。どうしてもソーラーパネルの発電はばらつきがあり、安定しないものです。

そうなるとソーラー発電が弱い時にのみ走行充電が行われる。ざっくり言うと、エンジンが稼動している時は本来なら安定して走行充電が行われるところ、なったり、ならなかったり…こんな状態になる事が予想されます。

結果、走行充電中は走行充電のみにした方が安定して充電が行われる(適正)と私は仮説を立てました。

また、走行充電とソーラー充電両方とも発電している状態でサブバッテリーに大きな負荷がかかった時に当然ながらサブバッテリーの電圧降下が発生し、サブバッテリーの電圧が大幅に低くなった場合、走行充電器とソーラー充電器はフルにサブバッテリーに充電を行う(大電流が流れる)事が予想されます。

ちなみにディープサイクルバッテリーの最大充電電流は基本的に0.1C(容量の1/10アンペア)とされているので使用するバッテリーの容量、ソーラーパネルのワット数によっては過充電となる恐れがあります。(破裂する可能性があり非常に危険)

※例えば容量100Ahのディープサイクルバッテリーの場合の0.1Cは最大充電電流が10アンペアとなります。

このように適正かつ安全なソーラー充電を行う為に5極リレーを使用し、自動で切替を行い各々が単独で充電を行う様にしたという訳です。

5極リレーの配線

まだリレーを取り付ける前の様子

やっとコメント投稿者の要望でもある配線のところまで来ました。

リレーの仕組みを理解していても何処をどう繋ぐのか正直ややこしいです。
最初に断っておきますが、今回の配線方法の解説は私が作成した自作サブバッテリーシステム における物ですのでその辺りご了承願います。

5極リレーは名前の通り5つの接点(リード線)が有り、配線によっては様々な使い方が出来ます。

5極リレーの裏側(配線の様子)

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走行充電とソーラー充電を自動で切り替えることが今回の目的です。
すなわち走行充電中はソーラーチャージャーとサブバッテリーの間を切断する様な回路を組めばいいわけです。

じゃあどのように配線、結線をすれば良いのか?

ここで5極リレーの登場です!

ここでは解りやすいようにエーモン製の5極リレーで解説させて頂きます。
※動画で使用した格安リレーはこちらです↓

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※2個でこの価格ですが詳しい説明書などは付いてこないので、配線に自信のない人はエーモンリレーの方が無難かもしれません。

下図は今回のサブバッテリーシステム 2号機の配線図(概略図)になります。

紫枠で囲んである所が5極リレーの部分になります。

まず、エンジン始動で切り替えるわけですから車輌のACC電源と5極リレーの青線を結線します。

次に黒線は車輌のアース(シガーソケットのマイナス)へ接続。
今回ACC電源はサブバッテリーシステム を簡単に取り外し出来るようにする為、余っていたシガーソケットを加工して、そのプラスを青線に、マイナスを黒線に接続しています。

参考までに↓

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感想(0件)

今回はシガーソケットでACC電源を取りましたが、ACC電源が取れればどんな方法でもいいと思います。

これでACCに連動してリレーの接点の白と黄が切り替わります。

次にリレーの赤線。※上図ではオレンジ

ソーラーチャージャーのプラスに接続します。

次にリレーの白線(常時接続側)。

サブバッテリーのプラスへ接続。

次にリレーの黄線(電磁コイルに電気が流れると接続する側)。

今回は使用しません。以上で配線は終わりです。

これでエンジンを始動している時(走行充電が行われている時)は5極リレーの接点が黄線と繋がっているのでソーラー充電は行われません。

エンジンが始動してない時は5極リレーの接点が白に切り替わるのでソーラー充電が行われます。

ちなみにですが、今回使用しなかった黄線に独立したバッテリーを接続すれば走行充電中にソーラー発電されていれば、その独立したバッテリーに充電する事も可能になり、より一層無駄の無いシステムの構築が出来ると思います。

まとめ

  • 4極リレーと5極リレーを使いこなす事ができれば、DIYレベルが格段にアップする。
  • 5極リレーを使用した理由はソーラー充電を行う上でより適正に、より安全に留意した為である。
  • 5極リレーの配線をする前に自分が何をしたいのかを明確にし実際に紙に書いて電気の流れをイメージしてみるとわかりやすい。

今回はサブバッテリーシステム 2号機における配線方法を解説しましたが、リレーの仕組みを理解していれば様々な用途として応用出来る様になりますよ!