こんにちは。
K-TRUST原田です。
今回は現在テスト中のハイブリッドインバーターで蓄電池だけの電力でエコキュートを稼働させてみました。
まず、蓄電池から家庭用のAC(交流)100V/200Vを使うという事は、蓄電池のDC(直流)電力をAC電力に変換する必要があります。
その変換する際にどうしてもロスが発生します。
その為、”電力会社からの電力”と”蓄電池からインバーターで変換した電力”では、後者 の方が余計に消費電力が高くなります。
その辺も含め、ハイブリッドインバーターと蓄電池でエコキュートを稼働させた場合に蓄電池はどのぐらい消費するのか?
簡単に実験してみたので興味のある方は、ぜひ最後まで読んで頂けたらと思います。
初めに断っておきますが、精密な測定機器などを使用して実験した訳では無いので一つの参考程度に読んで頂けたら幸いです。
まずは下記が今回の実験の環境になります。
- エコキュート:パナソニック HEーL46JQS(寒冷地向け高圧力型)
- ハイブリッドインバーター:Bluesun Solar社 単三 6.6kw出力
- 蓄電池:CATL製リン酸鉄リチウムイオン 200Ah 生セル 16直列 51.2V
- BMS:JBDスマートBMS 16S 250A
- バランサー:アクティブバランサー
※現在ハイブリッドインバーターで家丸ごと稼働(全負荷)してるので常に200W〜300Wほど消費しています。
それでは実験を始めていきましょう!
エコキュートは割安の深夜電力で沸き上げ(電気の力でお湯を沸かしてタンクに溜める事)を自動的に行います。
※4月から深夜電力も値上げする予定。日中の料金と大差が無くなるようです(悲)
なので毎朝タンクの湯量は満タンになっています。
テストは日中にするので、その前日に沸き上げを停止する設定を操作したつもりが、次の日の朝、なぜかタンクの湯量が満タンになってました。
設定方法が間違っていたのかもしれません(汗)
しょうがないので、一旦お風呂にお湯はりをして、タンクの湯量を減らしてから実験することに。
お湯はりが終わり、タンクのお湯も2メモリぐらい減り、エコキュートの操作パネルで、とりあえず100ℓのお湯を沸かしてみます。
と、その前にバッテリーの状況をチェック。
10時39分時点
電圧 53.08V
容量 171.25Ah 95%
ここから沸き上げスタートです。
2023年2月2日AM10時39分、操作パネルに沸き上げの表示が出ました。
外気温は約1.4℃。
リチウムイオンバッテリーに取り付けてあるスマートBMSのアプリ画面を見てみます。
だんだんと消費電力が上昇していきます。
あっちなみに我が家の待機電力(誰もいない時の消費電力)は約200W〜300Wです。
消費電力は段階的に上昇していき約10分後には2,500W〜2,800Wで消費しています。
待機電力分を差し引くと2,200W〜2,500Wがエコキュートの消費電力分という事でしょうか。
このエコキュートの定格消費電力は2,000Wなので消費電力が高い分は変換ロスですかね。
AM10時58分(19分後)
消費電力が1500W(エコキュート分は約1,200W)ぐらいに下がってきました。
AM11時03分(24分後)
消費電力は900Wぐらい(エコキュート分は約600W)まで下がりました。
室内の表示パネルを見ると”沸き上げ”の表示はまだ消えていません。
外に出てエコキュートの室外機を見てみるとファンは停止しています。
100ℓの沸き上げが終了したのかな?
しかし消費電力は600Wほど消費しています。
ここまでで、24分。
100ℓを24分で沸き上げたという事でしょうか?
電圧 52.79V Δ−0.29V
容量 157.18Ah 87% / Δ−14.07Ah Δ−8%
消費電力量に変換すると約744wh?
なんかよく分からないのでもう100ℓ沸かしてみます。
AM11時07分(28分後)
追加で 100ℓ沸き上げボタンを押してスタート。
また徐々に消費電力が上がっていきます。
11時22分 BMS上の消費電力が3,000Wに到達しました。
今度はずぅ〜と3,000Wほど消費してます。
待機電力を差し引くと、約2,700W。
どういうわけか1回目よりも消費電力が大きいですね。。
良くわかりませんが、色々制御しながら沸き上げをしているみたいです。
AM11時41分(62分後)
1,200W辺りまで下がって来ました。
室外機のファンも止まっています。
AM11時46分(67分後)
消費電力300Wまで低下。
表示パネルも沸き上げの表示も消えています。
タンク容量を示す表示も満タンを示しています。
67分間で完全に200ℓの沸き上げが終了した様です。
実験結果をまとめてみます。
終了時のバッテリーの状況↓
電圧 52.41V
容量 124.85Ah 69%
スタート時点から比較すると
電圧 53.08V → 52.41V−0.67V
容量 171.25Ah → 124.85Ah−46.4Ah(消費Ah)
95% → 69% −26%
Ahをwhに直すと
2,447wh(消費電力量)
待機電力分が300Whだとして差し引きます。
2,447wh(総消費電力量)ー300wh(待機電力)=2147wh(エコキュート分の消費電力量)
エコキュートで200ℓを沸かすのに 2,147wh(だいたい)消費したという事になります。
だとすると、単純に400ℓを沸かす場合は倍の4,294Wh(約4.3kw)の電力量が必要という事になります。
また、400ℓのお湯を沸かす時間は約2.2時間かかるという事です。
5kwhの蓄電池であればほぼ無くなる計算です。
10kwhの蓄電池であれば半分の消費量。
15kwhの蓄電池であれば 1/3 の消費量。
オール電化の場合の蓄電池は消防法に届出が必要の無い容量である最大15kwhぐらいは欲しい所ですね。
あとこのハイブリッドインバーターは問題なくエコキュートも使える。
という結果になりました。
現在我が家の蓄電池は200Ahの16直列51.2Vなので約10kwhです。
ただ、実際に使える電力量は90%の約9kwhになります。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの寿命を伸ばすためにこのような処置をBMSで設定しています。
今回は外気温1℃の真冬での実験でしたので、かなり電力を消費するパターンだと思います。
この季節は最低気温−10℃ぐらいに冷える日もあるのでそんな日はもっと電力を消費するんでしょうね。。
やはり分かってはいましたが、エコキュートはかなり電力を消費します。
蓄熱暖房器具なんかはもっと電力を消費するみたいですね。
どうせ蓄電池で沸き上げするなら外気温の低い夜間では無く、少しでも温度が上昇する日中に沸き上げした方が、少ない電力で沸き上げ出来るような気がします。
とにかく蓄電池とソーラー発電は有効に賢く使うという事が大事になってくるのかもしれませんね。
このハイブリッドインバーター。普通にエコキュートやIHコンロが使えることが凄いと思います。
また気になる実験などがあったらやっていきたいと思います。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!
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