「バッテリーがパンパン・・」
今回のジルノーブルを見て、最初に思ったのがこれでした。
キャンピングカーのサブバッテリー交換のご依頼をいただき、車両を確認してみると、搭載されていた鉛バッテリーがかなり膨張しています。
しかも……
1台だけではありません。
搭載されていた3台すべてが、大きく膨らんでいました。
今回は、そんな膨張したバッテリーを取り外し、LiFePO4(リン酸鉄リチウム)バッテリーへ交換した施工事例をご紹介します。
まずはバッテリーの状態を確認
今回の車両はキャンピングカーの「ジルノーブル」。
サブバッテリーは、車内の収納スペースの中に設置されています。
搭載されていたのは12V・100Ahの鉛バッテリーが3台。
一見すると普通のバッテリーに見えますが、よく見ると……
ケースがかなり膨らんでいます。
さらに取り外した3台を並べてみると、その状態がよく分かります。
3台とも、明らかに本来の形状から変形しています。
上から見ても、中央部分が大きく盛り上がっているのが分かります。
ここまで膨張している場合は、危険すぎるので、交換を検討するべきです。
しかし……バッテリーが簡単に出てこない
さて、ここからが今回の作業のちょっとした難所です。
「じゃあ古いバッテリーを外して、新しいバッテリーを入れればいいね」
……と思ったんですが、
そう簡単にはいきません。
ジルノーブルは、バッテリーが収納されている場所がかなり狭く、周囲にはシートのベースになる鉄枠、配線などがあります。
しかも、今回のバッテリーは大きく膨張しています。
収納スペースの壁にピッタリとくっついている感じで、狭い収納スペースからそのままスッと取り出すことができません。
ということで……
さらに、バッテリーが収まっている収納スペースも分解していきます。
普段は見えない場所なので、開けてみると配線もかなりあります。
バッテリー本体だけでなく、ヒューズや各種電装品、ソーラーコントローラーなどが組み込まれています。
作業スペースを確保しながら、周辺の部材を一つずつ取り外していきます。
そして、なんとかバッテリーを「摘出」
周囲をバラして、ようやくバッテリー本体へアクセスできるようになりました。
ただ……
まだ油断できません。
膨張したバッテリーを狭いスペースから取り出す必要があります。
周辺の配線や機器に無理な力をかけないように注意しながら、慎重に取り外していきます。
そして……
なんとかバッテリーを摘出!
いやぁ、これはもう「取り外し」というより、
「摘出」
という言葉のほうがしっくりきます(笑)
3台とも無事に取り出すことができました。
こうして並べてみると、改めて膨張具合がよく分かります。
なぜバッテリーが膨らんだのか?
鉛バッテリーが膨張する原因はいくつか考えられます。
例えば、
- 経年劣化
- 過充電
- 高温環境
- 充電条件
- バッテリー内部の劣化
などです。
ただし、今回のバッテリーについて、膨張した原因を一つに断定することはできません。
バッテリーが大きく膨張している場合は、原因を自己判断するよりも、まず安全を優先することが大切です。
無理に使用や充電を続けず、専門業者に状態を確認してもらうことをおすすめします。
バッテリーだけでなく、周辺設備も確認
バッテリーを交換する前に、既設の充電設備や配線も確認します。
こちらは既設のソーラー充電コントローラー。
キャンピングカーのサブバッテリー交換では、バッテリーだけを交換すれば終わり、というわけではありません。
現在どのような設備が接続されているのかを確認する必要があります。
例えば、
- ソーラー充電
- 走行充電
- AC充電
- インバーター
- 各種電装品
- ヒューズ
- バッテリーケーブル
などです。
新しいLiFePO4バッテリーを設置
今回は、これまで使用していた鉛バッテリーから、LiFePO4(リン酸鉄リチウム)バッテリーへ交換しました。
今回使用したバッテリーは、限られたスペースにも設置しやすいコンパクトなタイプ。
ジルノーブルのように、バッテリー収納スペースが限られている車両では、バッテリーのサイズも重要なポイントになります。
新しいバッテリーを設置したら、リチウム用の走行充電器も設置していきます。
バッテリー周辺は、できるだけ配線を整理しながら収めていきます。
充電側もリチウムバッテリーに合わせて見直し
今回の施工では、バッテリー本体をLiFePO4へ交換するだけではなく、充電側のシステムもリチウムバッテリーに合わせて見直しました。
鉛バッテリーからLiFePO4バッテリーへ変更する場合、充電器や充電コントローラーなどが、使用するバッテリーの仕様に適しているか確認する必要があります。
今回も既設の充電システムを確認し、リチウムバッテリーに適した充電環境へ変更しています。
次の画像はリチウム専用のAC充電器。
BMSによる監視・保護
今回使用したLiFePO4バッテリーには、BMS(バッテリーマネジメントシステム)が搭載されています。
BMSはバッテリーの状態を監視しながら、
- 過充電
- 過放電
- 過電流
- 温度異常
などに対する保護を行う重要なシステムです。
これにより、バッテリーの状態を管理しながら使用でき、過充電や過放電、温度異常などに起因するトラブルのリスク低減につながります。
もちろん、BMSがあるから絶対にトラブルが起こらないというわけではありません。
充電器側の設定、配線、ヒューズなどを適切にすることも重要です。
今回の施工では、
「バッテリーを交換する」だけではなく、「バッテリーを安全に使える電源システムにする」
ということを意識して作業しました。
交換前は膨張した鉛バッテリーが3台収まっていましたが、今回は新しいLiFePO4バッテリーへ変更。
さらに、バッテリーだけではなく、周辺の配線や保護機器なども確認しながら施工しています。
限られたスペースの中に、各機器と配線を収めていきます。
キャンピングカーの電装スペースは、住宅の分電盤のように広々としているわけではありません。
「あと数ミリあれば……」
という場面も結構あります。
そのため、バッテリーのサイズだけでなく、配線の取り回しや周辺機器との位置関係まで考えて施工する必要があります。
鉛バッテリーからLiFePO4へ交換する場合の注意点
今回のように、鉛バッテリーからLiFePO4バッテリーへ変更する場合、
「古いバッテリーを外して、新しいバッテリーをつなげばOK」
というわけではありません。
既設の充電設備が、新しいバッテリーの充電条件に適しているか確認する必要があります。
ソーラー充電器、走行充電器、AC充電器など、それぞれの機器について設定や仕様を確認することが重要です。
また、バッテリーの容量や使用する電装品によっては、ケーブルやヒューズなどの見直しが必要になる場合もあります。
バッテリーだけを見るのではなく、車両全体の電源システムとして考えることが大切です。
今回の施工を終えて
今回のジルノーブルは、最初に見た瞬間、
「これはかなり膨らんでるな……」
という状態でした。
しかも、問題はバッテリーそのものだけではありません。
バッテリーを取り出すためにシートを外し、収納スペースを分解。
周辺の配線や機器にも注意しながら作業を進め、最終的にはなんとか3台のバッテリーを「摘出」することができました。
そして、古い鉛バッテリーを撤去し、新しいLiFePO4バッテリーへ交換。
さらに充電側もリチウムバッテリーに合わせて見直し、BMSによる監視・保護機能を備えたシステムへ変更しました。
バッテリーの状態だけでなく、充電設備や配線まで含めて確認し、最後に充放電テストを行なって無事に作業完了です。
今回のように、キャンピングカーのバッテリーは普段なかなか確認しない場所に設置されていることがあります。
だからこそ、
「そういえば、うちのバッテリーもしばらく見てないな……」
という方は、一度確認してみてください。
もし、
- バッテリーが膨らんでいる
- ケースが変形している
- 以前より電気が持たなくなった
- 充電してもすぐ電圧が下がる
- キャンピングカーをリチウム化したい
- バッテリーを交換したいけど、収納スペースに入るか分からない
といった場合は、お気軽にご相談ください。
車両の使用状況や既設の電装システム、バッテリーの収納スペースなどを確認したうえで、適した構成をご提案します。
キャンピングカーのバッテリー交換・リチウム化でお困りの方は、ソラノテックまでお気軽にご相談ください。
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